『シャドウ・オブ・ヘゲモン』(ISBN:4150114633,ISBN:4150114641)
うーん。下巻はイマイチだったなぁ。この本の中で、タイトルにあるヘゲモンであるところのピーターは、今回は主要なキャラクターですらないし。ロックとデモステネスを使い分けて、この世界を巧みに操作していたカリスマ性がまったく身を潜めている。何もビーンにここまでコケにされなくても良いだろうにとは思った。
上巻のラストでは、ピーターもビーンもアシルもペトラもいよいよ世界の表舞台に出てくる決意を固めていたし、下巻に入れば真の意味でこの優秀な子供たちが世界を動かすシーンが多く繰り広げられると期待したんだけどなぁ。結果的には、カードの世界観を延々と語られただけで、本作では誰一人として何も達成することなく、次のストーリーに続くわけです。
せめてヒロインのペトラがもう少し魅力的な女性なら、思い入れも強くなるんだろうけど。ペトラはもっと無条件にタフで良いキャラです。
まあ、カードがいうように4部作の第2作目と考えれば、今回はピーターがヘゲモンに選出された時代の世界事情が描かれていて、今後の物語の背景を鮮明にしているということもできるのだけれど、この本だけではやはりちょっと物足りないです。早く次回作を翻訳してもらいたいな。日本でカード熱が冷え切ってしまう前に。
火星探査
NASAの火星探査車スピリットは探索ルートも決定し、本日深夜にも火星探査を開始する。これに合わせるかのように明日にも米大領のブッシュは、火星への有人飛行計画を発表するそうな。
2008年までに月に無人機を送り、2020年までには再び月面に飛行士を送る。そして、2030年以降に火星へ有人ロケットを打ち上げるとのこと。
50年以上前にレイ・ブラッドベリは、『火星年代記』の中で、火星への第一探検隊の出発を1999年1月と描いた。1992年に発表し、翌年のネビュラ賞を受賞したキム・スタンリー・ロビンスンの『レッド・マーズ』では、2026年に100人の科学者を乗せた殖民船が火星へ向けて地球を発つところから物語りが始まる。
ある一方では、SFをはるかに凌駕するスピードで、社会に変化が訪れているにもかかわらず、宇宙を手に入れることに関しては、現実はいつもSFに遅れをとっている。ああ、エンタープライズはいつになったら、発進できるのかな。
ちなみに、最近読んでいる『宇宙戦艦ヤマト』は、2199年に地球を離れ、イスカンダルに向かって旅立った。
SF映画の未来年表はこちら。
http://www.generalworks.com/databank/movie/mirai.html